秩父への自転車輪行で、特急Laiewに乗ってみた。輪行目線でLaviewを解説。

読みもの
西武鉄道特急Laview

こんにちは、manamicciです。
2022年4月の某土曜日、初めて輪行にチャレンジし、
西武鉄道の特急Laviewに乗って秩父まで行ってきました。

初めての輪行ということもあり、
大きな荷姿で、周りの人たちに迷惑をかけてしまわないか、とても心配…。
実際に輪行をしてみて、よかったこと、分かったこと、そして検証点が見えてきたので、
振り返りも兼ねて、Laview輪行をレポートしてみます。

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1.西武鉄道のLaview(ラビュー)とは

池袋駅を始発とし、終点西武秩父駅までをおよそ80分で結ぶ特急列車です。

建築家の妹島和世氏が車体をデザインし、
丸みを帯びたデザイン、黄色で統一された車内、膝下まである大きな窓が特徴です。
実際に乗ってみると、程よい硬さのシート、広々とした足元、大型窓から見える景色と、
入間・飯能・秩父など、埼玉西側へのショートトリップを盛り上げてくれる特急電車なのです。

Laviewのスペックについてはオフィシャルページで詳しくまとめられているので
こちらを確認するのがいいと思います。

2.輪行概要

乗車区間所沢から西武秩父まで
日時2022年4月の土曜日
特急列車7:50所沢発、ちちぶ5号
輪行人数2人(私とダンナ)
車種2台ともロードバイク
輪行袋の種類私は縦型(オーストリッチ(OSTRICH) 輪行袋 [L-100] 超軽量型)
ダンナが横型(モンベルのコンパクトリンコウバッグ)

3.西武鉄道のオフィシャルアプリ、smoozを利用しよう!

初輪行にあたり、まず「smooz」に登録しました。
smoozとは、西武鉄道が提供する特急券の座席予約サービスです。
このサービスを利用すると、ネットで特急券を購入でき、チケットレスで乗車ができます。

輪行にとって大きなメリットとなるのは、

  1. 空席状況が確認でき、自分の好きなシートを予約できる。
  2. 購入した列車の発車前であれば、購入後2回まで席を無料で変更できる。
  3. 当日チケットレスでそのまま乗車ができる。

の3つです。

smoozは、事前チャージ制になっており、suicaやPASMOのように事前に入金しポイントを購入。
購入したポイントを使って座席を予約します。
会員費も無料ですし、今後、埼玉西側への輪行を多くこなしたい人は、
登録しておいて損はないサービスだと思います。

smoozで座席を予約をしてみる。

今回乗るのは、休日7:50所沢発のちちぶ5号です。smoozの画面で、まず乗りたい時刻の列車を選択します。

西武鉄道のオフィシャルアプリsmooz列車選択画面

すると、このように1号車から8号車までの号数指定ができる画面に切り替わります。
「座席位置指定」で「シートマップから席を指定する」を選ぶと、
自分の好きな席を選択できるようになります。

西武鉄道のオフィシャルアプリsmooz座席位置指定画面

座席の確保は早めが、吉。

私が座席を予約したのは、出発の5日前。
座席は、ガラガラでした。
しかし前日、そして当日になって、座席が次々と埋まり出し、出発直前にはほぼ満席に。
Laviewでの輪行を決めたら、余裕を持って座席を確保するのがおすすめです。

当日発車10分前の座席状況

西武鉄道のオフィシャルアプリsmooz座席選択画面

複数人で輪行する場合はどうする?

特急輪行は、進行方向に対して車両の一番後ろの座席を確保し、
座席背後のスペースに輪行袋を置くと良いとされています。
この法則に従い、車両の最後部の座席を予約することにしました。

ここで考慮するのが、輪行人数。今回は、私とダンナの2人です。
仮に、2人隣同士の席を予約した場合、座席背後のスペースが狭く、輪行袋を2台置けません。

そこで、バラけて席を確保することにしました。
確保した席は、3号車の15D、5号車の12Aです。

smoozをもっと便利に使う

smoozでは、座席を確保した後も、2回までは無料で変更ができます。
当日の天候が悪い、体調がすぐれないなどの
急な予定変更があった場合にも対応ができて、便利だと感じました。
(払戻の場合は100円の手数料がかかります)

また、スマホの西武線アプリから予約したシートを確認することができます。
しかし、アクセスのたびに会員番号とパスワードの入力が必要で、使い勝手がイマイチです。
車内で慌てたくなかったので、
予約画面を事前にキャプチャしておいて、
車掌さんの車内確認の時にはそちらを提示するよう、準備をしました。

Laview、特急券予約のポイント

  • smoozを利用する
  • 座席の予約は、余裕を持って。
  • 後部座席の隙間に入るのは、ロードバイク1台分。複数人の場合は、座席をバラけさせるなど、工夫を。
  • smoozでは、座席を確保したのち、2回までは無料で変更が可能。
  • 西武線アプリのsmooz画面の使い勝手がイマイチなので、予約画面を事前にキャプチャしておく。

4.スマートに、無駄のない動線で乗車する。

さていよいよ当日。休日7時台の所沢駅は、こんな感じです。人もまばらでホームが広く、歩きやすいです。

朝7時台の所沢駅構内
改札に入る前の、所沢駅構内。
朝7時台の所沢駅プラットホーム
ホームにてLaviewを待つ。

時間になったらいよいよ乗車です。ここで注意したいのが、乗車位置です。
Laviewの乗車口は、下の図のように、車両に1つの乗車口しかありません。(1号車と8号車は例外。)

西武鉄道Laview1号車から8号車までの乗車位置の図版

今回予約したのは3号車の最後部と5号車の最後部座席です。

Laviewをホームで待っているときに、素直に3号車と5号車の乗車位置に並ぶと、
車両の前から入り、大荷物を持って座席の間の通路を歩く羽目になります。

なので、後部座席にアクセスしやすいよう、
4号車と6号車というように
一つ後方の車両の列に並び、
後ろのデッキから座席に入るといいでしょう。

ホームには、乗車位置を示すステッカーが
貼ってあります。

西武鉄道Laview乗車位置と号数
5号車の後部座席に座るので、6号車のデッキから入る。

さて、乗車位置から車内に入ると、デッキは、このように、広々しています。

西武鉄道Laviewデッキの様子
西武鉄道Laviewデッキの様子
西武鉄道Laview1号車デッキの様子
西武鉄道Laview1号車デッキの様子、洗面台

ここですぐに座席に向かってもいいのですが、一旦デッキで待つことをお勧めします。
何故なら、乗車直後は、通路を行ったり来たりする人、
あるいは車両と車両を移動する人などで、人の動きが活発だからです。

西武鉄道Laview乗車直後の人の動き

Laviewのデッキスペースは十分に広いので、ここで人の流れが落ち着くまで待ちましょう。
電車が動き始めてしばらくすると、乗客が窓に釘付けになりますので、
そういったタイミングを待って、座席に輪行袋を持ち込むのがおすすめです。

Laview、乗車のポイント

  • Laviewの乗車口は一つ。後部座席を予約した人は、一つ後ろの車両の列に並ぶ。
  • 座席に移動するのは、人の動きが落ち着いてから。

5.Laviewの車内。噂に違わず、足元広々!余裕のリクライニング。

実際に車両に入り、輪行袋を後部座席椅子背面に置いた時の様子です。

後部座席といえども、当初の予想通り2台の輪行袋を置くことは難しいので、
やはりダンナとは別々に座って正解でした。
オーストリッチの縦型輪行袋は問題なく置くことができました。

西武鉄道Laview、輪行袋を置いた様子を通路側から撮影。
西武鉄道Laview、輪行袋を置いた様子を上から撮影。
西武鉄道Laview、輪行袋を置いた様子をデッキから撮影。
西武鉄道Laview、着席した時の足元。

また、3号車最後部に乗車したダンナからも
情報が寄せられました。

横型輪行袋も置くことができたけど、
気持ち通路側にはみ出た、とのこと。

西武鉄道Laview、後部座席の後ろに横型輪行袋を置いた様子

6.Laviewに乗車している、大荷物ユーザーをリサーチしてみた。

大きな荷物の乗客が比較的多ければ、今後の輪行でもなんとなく安心です。
ジロジロ見るわけにもいかないので、ざっと見た限りの記録ですが、
所沢から乗車した後、トイレに行くふりをして1両目から8両目までをこっそり観察してみました。

西武鉄道Laview、大きな荷物を持って乗車していた乗客をリサーチ。

まず目立つのは、トレッキング目的のグループ、そして家族連れの行楽客です。
荷物は大きくありませんが、複数人まとまっての乗車が目立ちます。

さらに、大きな荷物仲間では、ゴルフセットを持った方も乗車していました。
6号車のデッキでゴルフセットのそばに立ったまま乗車している方がいました。
「輪行袋に比べれば、余裕の荷姿ですよっ!」と、心の中でエールを送りました。

輪行客は私とダンナを除いて3名。
そのうち2人はグループでした。
グループの方は、1台を座席背面に、もう一台を8号車デッキに置いてました。
(輪行袋をデッキに置くことについては、後述します)

ソロライドの輪行客は、自転車のそばを離れず、
5号車のデッキに立ったまま乗車をしていました。

1号車の車椅子スペースは、ベビーカーが置かれていました。
ここに輪行袋を置くことはやめたほうがいいと思います。
1号車7Dと8Dも気になるところですが、
車椅子ユーザーの付き添いの方が座る可能性もあると考え、特急券購入時には避けました。

Laviewは全席指定席なので、
座れなかった人がデッキまで溢れて乗車する、ということはありません。
なので、いざとなったら、乗車券と特急券は購入するけど、
デッキで自転車のそばを離れず立って乗車というのもアリだな、と感じました。

7.デッキに自転車を置いて、自分は座るパターンはアリか?

ここでもう一つ、デッキの手すりに自転車を括り付けて、自分は座ってはどうか?
という考えが浮かびます。
私もsmoozで予約をする時にこれを考えました。
でも、Laview輪行に限って言えば、やめたほうがいいのではないかという結論です。

理由は、デッキの構造にあります。
まず、壁が曲面で、自転車を立てかけても安定しないこと。
もう一つは、縦の手すりしか設置されていない、ということです。

縦の手すりは、自転車が揺れたりブレーキをかけた時に、自転車が安定せず、
自転車が変な方に傾いてしまうこともあるのではないか、と感じました。

西武鉄道Laviewのデッキに、輪行袋を置いた時の様子。

1号車から8号車までのデッキを確認したのですが、横の手すりが無い…。
「横の手すりは美しくない!」みたいな、建築家のこだわりなのでしょうか…。

縦の手すりに輪行袋の紐を結んで実験してみようかな、
と思ったのですが、なにぶん購入してからまもない新車なので、やめておきました…。

7号車後部の輪行組は、2台のうち1台を8号車デッキの手すりに結んで置いており、
なんとなく輪行に小慣れた様子でした。
もしかしたらデッキに自転車を置くことについて、
そこまで心配する必要がないのかもしれませんが、
自転車が心配な人は、避けた方が良いと思います。

8.飯能での方向転換。見知らぬ乗客との向かい合わせを避けるには?

さて、順調に輪行袋を置いて、ホッと一息ついたところで、新たな問題が発生します。
それは、「飯能で電車の進行方向が変わる」という問題です。

飯能が近づくと、こんな車内アナウンスが流れます。

「飯能から先は、今まで走ってきた向きと変わりまして、8号車が前になります。座席を回転させる時、リクライニングを使用する時は、周りの方へのご配慮をお願いします。」

OH…。(´д`|||)

座席を回転させるには、
座席背後の輪行袋を一度通路側などに出す必要があり、結構な大仕事です…。
飯能に到着すると、車内がそわそわします。
「どうする?回転させる?他の乗客はどうするのかな?」みたいな様子伺いのざわめきです。
アナウンスでは、
「周りに迷惑かけなければ、回転させてもさせなくてもどっちでもいいよ」的な感じです。

荷物を動かしたくないので、私としてはこのままざわめきが治まって、
「まいっか、逆向きでも」みたいな雰囲気に落ち着くのを望むばかりです。
しかし、飯能を出て2,3分ほど経つと、どこかで座席を回転させる人が出てきました。
すると、我も我もと、次々とみんな座席を回転させ始めました。

ついに、私の前に座っていた2人組の乗客が、
「座席回転させていいですか?」と、聞いてきました。

車内の雰囲気を伺いながら身構えていた私は、緊張して
「もちろんです。ただ、私、後ろに大きな荷物があって回転させられないのですが…」と
答えてしまいました…。

緊張のあまり、向き合ってもいいんだったらどうぞ、的な答えになってしまったのですが、
良い方々だったので、「いいですよー」みたいな感じで、結果、向き合うことになりました。

だんだんと微妙な雰囲気に…

しかし、しばらくは良かったのですが、5分ほど経って、
すぐに私が辛くなってきました。(多分相手も…)
向こうは2人、こちらは1人だと、なんだか回転させなかった私が悪いような気分になってきます。

「前の人たち、ゆっくり足を伸ばしたいんだろうなー…………目線合わせないように窓の方ばっかり見てると、流石に首が痛い…………トイレに立つふりして席を立ったら、早く帰ってこないでほしいと思われそうで、なんか悔しい…………やっぱり無理しても座席を回転させれば良かった…………」
などなど、どんどん気分が落ち込みます。

改めて調べてみると、飯能から西武秩父までは、およそ40分。
この区間を見知らぬ相手と顔を突き合わせて乗っていくのは自分も相手も相当辛い。

池袋から西武秩父駅までの所要時間と、各駅間の所要時間
2022年4月時点の、休日、ちちぶ5号のを元にした所要時間です。

相手の方も、せっかく足を伸ばして大パノラマを楽しめる、楽しい旅行を計画していただろうに、
とても申し訳ないことをしてしまいました。(´・_・`)

結局、気まずい雰囲気に我慢できずにトイレに立ち、席に戻った後にシートを回転させました。
向かい側の方は、きっと「もっと早くに回転させて欲しかった」と感じていたと思うので、
やはり、ここをスマートに乗り切るのが、Laview輪行の鍵になるような気がします。

悶々としてダンナにメッセージを送ると、あっさりと「座席回転させたよ」と返答が。

まじか。

ただし、かなり大変だったみたいです。

飯能で通路の反対側の席が空いたので、
一度輪行袋を逃がして座席を回転させていたら、
タイミング悪くそのシートに座る乗客がやってきて、睨まれたと…。

うーん。

「飯能で進行方向が変わる」問題をどうやったらスマートにクリアできるか、考えてみた。

やはり、車内の雰囲気が「座席回転させようぜ」的な雰囲気になったら、
流れに逆らわず回転させるのがいいと思います。
特に、自分の前の人が座席を回転させたい、と断ってきたら、自分も変えてあげましょう。

ただ、輪行袋を移動させるのが大変なので、ここも、飯能駅を過ぎて、
車内の人の流れが落ち着いてから、座席の向きを変えるのがいいと思います。
前の人が座席を回転させるタイミングで、
「人が落ち着いたら回転させます」と一言加えてもいいかもしれません。
面倒なコミュニケーションですが、仕方がありません…(´・ω・`)

他には、

  1. 後部座席ではなく、一番前の座席を予約し、飯能では座席を回転させない。
  2. 乗車直後に椅子を回転させてしまう。
  3. 飯能まではデッキに乗車、飯能を過ぎたら座席を回転させたのち、輪行袋を持ち込む

といった方法もあるかもしれません。
ただし、「1」と「2」については、隣の席に人が来た時点で破綻します。
隣に来た乗客が、足元に輪行袋が置いてある状態を見て、
「なに勝手に大荷物置いてるんじゃぁ💢」と、なります。
この方法を取る場合は、隣の席も一緒に予約した方が安心かもしれません。

「3」については、所沢駅や入間駅からの乗車であれば、乗車区間が短く耐えられますが、
池袋駅からの乗車になると、乗車区間が長くなるので、ちょっと辛いかもしれません。

乗車区間や、保険として追加料金を払うことを良しとするか、
どこまで周りの人とのコミュニケーションに耐えられるかなどによって、
人によって対策が変わってくるんだろうなぁと思います。

座席の回転方法は、簡単です。通路側についているペダルを踏んでクルッと回転させます。

西武鉄道Laviewの座席回転
西武鉄道Laviewで、横型輪行袋を座席前に置いた時の様子
西武鉄道Laviewで、縦型輪行袋を座席前に置いた時でも、余裕で座れる。
西武鉄道Laviewで、縦型輪行袋を座席前に置いた時の様子

9.「隣に誰かが座るかもしれない」という恐怖について

今回、私とダンナは分散して座りましたが、乗車中、運よく隣はずっと空席でした。
しかし、所沢から先の駅で誰かが乗ってくるかもしれない、という心配は常にありました。
こればかりは、賭けになってしまうのですが、
私は「多分隣は乗ってこないだろう」という方に賭けました。
もし乗ってきたら、輪行袋を持ってデッキに出て、立って乗車しようと思っていました。

Laviewの場合、飯能で進行方向が変わるため、
進行方向が変わった後に足元に大きな荷物があっては、隣の人に不快な思いをさせてしまいます。
飯能駅を過ぎて車内の人の流れが落ち着いてから座席を回転させるのがいい、と言ったのは、
隣の席に人が来ないことを見極めるためでもあります。

10.輪行とは、心理戦である。

ワタシ、ほんとにビビりで、「なるようになる」の出たとこ勝負ができない性格です。

なので、大きな荷物を抱えてLaviewに乗ったときに、
失敗しないように色々と下調べをしたわけですが、調べれば調べるほどに、
ここに荷物を置いたら周りの人にこう思われるのではないか、とか、
ここでこう動いたら、邪魔だと思われるのではないか、といったことが次々と出てきて
Laviewのチケットを取る段階で、この心理戦に疲れてしまいました。(笑)

大きな荷物を持っている時には、周りの目も気になって気疲れしますし、
予期せぬトラブルが起こると身動きが取りにくいものです。

でも「ここに気をつければ大丈夫!」「こんな人もいたよ」というところが
あらかじめ具体的に分かっていれば、輪行するときも安心かな、と思いましたので、
なるべく詳しく、Laview輪行をまとめてみました。

長文の投稿になりましたが、Laview輪行の参考になれば嬉しいです。

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